2019-02-26 11:01:38
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
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さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
———————————————————————————————-
以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
→
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
・店主厳選のプリプリの刺し盛りをご堪能ください。
・脂がのった新鮮なお造りをお召し上がりください。
・肉汁がジュワーっとあふれる、当店自慢のステーキ。
当社のサイトで頻繁に見る一文です。飲食店のサイトなのですから、当然とも言えます。
しかしながら、刺身のことを書く時は「プリプリ」「脂がのった」「鮮度抜群」、
肉の場合は「肉汁がジュワーっと」「肉汁があふれる」「ジューシー」といったワードを
使っておけば間違いないと、安易に考えている方もいらっしゃるようです。
例えば、プリプリのまぐろ。
「プリプリ」は、「身が締まっていて、弾力があること」を表しますよね?
赤身の食感を想像してみてください。「プリプリ」という表現は適切でしょうか?
種類によって違いはありますが、「ねっとり」「さっぱり」「もっちり」などの方が適していると言わざるを得ません。
ましてや、大トロや流行りの熟成まぐろを「プリプリ」と表現したら笑われますし、
熟成まぐろにいたっては、「鮮度抜群」も不適切です。
前職で担当していた、横浜の和食店の広報から聞いた話ですが、「脂がのった鱧」と表現したライターに激怒したことがあったとか。
解説するまでもないと思いますが、鱧は淡白な魚の代表格。関西では夏の味覚の代表格としても知られ、骨切りし、湯引きし、
淡白がゆえに梅肉や酢味噌などを付けて味わう高級魚です。怒って当然ですね。
同じ魚介類でも味や食感はさまざまですから、何でもかんでも「プリプリ」「脂がのった」などと書くのは、専門職なら失格です。
肉の表現も同様です。ステーキやメンチカツ、餃子などなら分かりますが、
例えば、牛タン焼きで「肉汁がジュワーっとあふれる」。これは不適切でしょう。
特に気になるのが「ジュワーっと」。牛タン焼きを想像してみてください。
「噛むほどに旨味が広がる」などなら許容範囲ですが、肉汁は「ジュワーっと」あふれないと思います。
飲食店のサイトを専門に作っているからこそ、味などの表現には的確さが求められます。
オーナー様やエンドユーザーに、「この人分かってないな」とバカにされないよう、
通り一辺倒、的外れな表現は使わないようにすると共に、表現力を養う努力が必要です。
なお、ディレクション課の方々に改めて周知しますが、
「やわらかい」を「柔らかい」と漢字で書く方が、まだいらっしゃいます。
コピーライティングでは開くのがセオリーであり、当社のHP制作規定でも開くのがルールになっています。
「いただく」「ください」も同様です。徹底をお願いいたします。
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以下は本アップ後品質チェックで指摘した修正例のごく一部で、赤字部分が修正した箇所です。
今回は、食にかかわる表現の修正例を取り上げました。
◆
すべての部位で美味しい味わいをお楽しみいただけます。
→
すべての部位でその美味しさをお楽しみいただけます。
< 校正・校閲のポイント>
「美味しい味わい」という表現、よく見受けられますが、文法的におかしいです。
「美味しい」とは、食べ物の味が良いことで、「味わい」のニュアンスを含んでいますから、重ねて使うのは不適切です。
◆
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお召し上がりください。
→
鮮度抜群のお刺身のおいしさを存分にお楽しみください。
あるいは
鮮度抜群のおいしいお刺身を存分にお召し上がりください。
< 校正・校閲のポイント>
これも多い間違いです。「おいしさ」は、味や香りといった感覚的なものが引き起こす性質。
楽しむことはできますが、召し上がる(食べる)ことはできません。
◆
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品のおいしさです。
→
オードブルや焼き鳥などの本格居酒屋メニューは、どれも絶品です。
< 校正・校閲のポイント>
「絶品のおいしさ」というフレーズも、不適切です。
「絶品」は、非常にすぐれた品物や作品のこと。料理の場合は「非常においしい」という意味になるので、
「絶品のおいしさ」=「非常においしいおいしさ」。文法的におかしいことが分かります。
なお、「絶品の味わい」という表現も見受けられますが、同様に不適切です。
◆
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが光るタイミングを見極めてご提供。
→
火加減には細心の注意を払い、お肉の美味しさが際立つタイミングを見極めてご提供。
< 校正・校閲のポイント>
こちらも、比較的多い間違いです。美味しさは光りませんので、ご注意ください。
◆
足の速い代表魚であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
→
足が早い魚の代表格であるサバは、何よりも新鮮であることが求められます。
< 校正・校閲のポイント>
「腐りやすい」という意味で使う際は、「足が早い」。慣用句なので覚えてください。
「足が早い」の「早い」は速度ではなく、「あまり時間がたっていない」ことを指します。「朝が早い」「諦めるのは早い」なども同様です。
◆
本格中華の火力で仕上げたパラッとチャーハンはしっかり食べたい方に人気の品。
→
本格中華ならではの強い火力でパラッと仕上げたチャーハンは、しっかり食べたい方に人気の品。
< 校正・校閲のポイント>
「本格中華の火力」では言葉足らずで、中華=強い火力、という点を書かなければ文章として成立しません。
また、「パラッと」も置き場所を間違うと、妙な文章になります。
◆
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類も入った飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸の進みとグラスの傾きが止まらない、大満足のラインナップです。
→
さらに当店厳選の日本酒10種類~15種類を含む飲み放題は、たっぷり2時間半。
箸が進み、お酒も止まらなくなる、大満足のラインナップです。
< 校正・校閲のポイント>
「グラスの傾きが止まらない」という表現はありません。二度と使わないでください。
◆
お手頃な価格で高級料亭や割烹で楽しむようなお料理が食べられます。
→
お手頃な価格で高級料亭や割烹で供されるようなお料理が味わえます。
< 校正・校閲のポイント>
「食べる」「食べられる」といった表現は、使い方によっては文章が幼稚になります。
高級料亭や割烹と比較しているのですから、言葉選びに注意しましょう。
◆
魚介の旨みがにじみ出たスープをご堪能ください。
→
魚介の旨みが溶け出したスープをご堪能ください。
あるいは
魚介の旨みが凝縮されたスープをご堪能ください。
< 校正・校閲のポイント>
「にじみ出る」は、「色や水、油などが紙や布などにしみて広がること」「うっすらと出てくること」なので不適切です。
料理の説明で使うことは、まずないと思います。
◆
・ばくだんおにぎり
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁に漬け込んだ、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みが染み込む至福のひと時。
→
鰹を混ぜ込んだおにぎりを香ばしく焼き上げ、魚の旨みがたっぷり溶け込んだ出汁と合わせた、定番の〆の一品。
パリッとした食感と、魚介出汁の旨みを楽しむ至福のひと時を。
< 校正・校閲のポイント>
画像もありましたが、出汁が入った器の中に焼きおにぎりを入れた一品で、「漬け込んだ」という表現は不適切です。
「漬け込む」は、漬物に代表されるように、液体などに一定の期間、漬けておくこと。
今回の場合、「出汁に浸した」ならOKですが、画像で料理が分かることを踏まえ、「合わせた」としました。
また、2行目は文章として成立していません。
◆
プリップリのホルモンは、噛めば噛むほどに旨味が広がります。
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プリップリのホルモンは、噛めば噛むほど旨味が広がります。
あるいは
プリップリのホルモンは、噛むほどに旨味が広がります。
< 校正・校閲のポイント>
「~ば~ほど」または「~するほどに」。この2つの表現方法で覚えてください。
どちらも「~するにつれてますます」という意味になります。
今月は以上です。
特にライターの皆さまは、上記の点に注意し、HP制作規定なども確認しながらテキストを作成してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。